脱いだ服は抜け殻のように床に置かれ、机の上は積まれた本で勉強するスペースなんて無し、鼻をかんだティッシュをゴミ箱にシュートしたけれど外れて落ちたまま…
それが10代までの私でした。
床なんて足の踏み場がないのが当たり前。掃除機をかけようとしたら物を除けるだけで疲れるような状態だったんです。
汚部屋から脱することができた理由は『太陽式お片付け』を取り入れたからでした。
※『太陽式』はイメージが伝わりやすいよう名付けました。
太陽式お片付けとは
イソップ童話の『北風と太陽』はご存知でしょうか?
ある時、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負をする。
まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
北風と太陽 – Wikipedia
次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。
これで、勝負は太陽の勝ちとなった。
厳しさより優しさで人が動くという、人間行動学的なお話です。
これを片付けに当てはめると、こんな感じ。
北風「面倒くさがらずに片付けなければいけない」
太陽「面倒くさがりでもできる片付け方にしよう」
徹底的に「面倒くさい」という気持ちに寄り添ったら、片付けられるようになったんです。
不思議ですよね。
太陽式お片付けの具体例
「面倒だな」と思ったらチャンス。
そこに改善のヒントが隠されています。
面倒な自分でもできるまで簡単にするのがコツ。
ぱなし収納
まずは『服はきれいに畳まなければいけない』という呪縛を解除。
「ハンガーにかけっ”ぱなし”でイイじゃない」と認めました。
ただ、畳んだほうがコンパクトなのは確か。
ハンガー収納は広いスペースが必要になります。
私は服を減らして場所を確保しました。
“だけ”収納
引き出す、フタを開ける、重ねる、etc..
たった数秒の行動が面倒だったなんて。そのせいで「しまうのは後にしよう」って思っていたんです。
だから数秒の行動でも削りに削りました。
例えばこちら。
しまいたい物は上から入れる”だけ”。
フタを開ける必要も、引き出しを引き出す必要もありません。
キャスターが付いているので、お掃除のときは片手で移動できます。
なんならお尻で押してもスルスルと動きます。
ひと手間で取り出せる、しまえる、動かせる。
だから片付けられるんです。
汚部屋は完璧主義者がなる?
おかしいと思うかもしれませんが、汚部屋住人だった頃は完璧主義者でした。
服はきれいに畳まなければいけない。
本は必ず読み切らなければならない。
ペンは種類別に並べなければいけない。
こんな風に無意識に思っていたんです。
だけど完璧主義に行動はついていけません。「完璧にできないなら、やらない」という状態になっていました。
これは私だけの話しではなく、片付けられない人には完璧主義者が多いそうです。
完璧に片づけようとするから片づけられない
心理カウンセラーが分析「完璧主義者ほど実は片づけができない」原因2つ | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン) | “女性リーダーをつくる”
なぜなら、私は何でもやるのだったら完璧にやりたい人なので、「片づけるには、あれも、これもやらなきゃいけないよな」といった具合に頭の中で片づけの作業量がどんどんと増えていき、最終的に「そんなのいますぐやるのは無理!」という感じになってしまうからです。
たとえば、読んでいない本がたくさんあって「必要な本といらない本を選別する」ということを考えてしまうと、「本を開いて内容をちゃんと確かめないと無理」となります。
汚部屋という言葉にドキッとしたあなた。
もしかしたら完璧主義ではありませんか?
面倒くさがりな自分の声に耳を傾けてみてはいかがでしょう。
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