本の内容を3行で
前半は複数の方の体験談となっていて、親御さんの介護にまつわる苦労話や心の内が赤裸々に描かれています。
それを疑似体験することで「自分は周囲にこんな大変な思いをさせたくない、だから終活しよう」と思わせる効果はあるかもしれません。
後半は数々の老い支度に携わってきた著者の理想とする、終活論だと感じました。
希望通り生きるための終活
自分が認知症や障害で意思疎通ができなくなったとき、思いとは違う介護や医療を受けることになるのを防ぐためにも終活が大事だと感じました。
終活は遺される人のためのものという意識が私は強かったのですが、自分のためでもあると再確認した次第です。
家族間の問題が浮き彫りに
親御さんの介護中にご夫婦間の対等じゃない関係性が垣間見えたり、理不尽な批判を浴びたりするお話しがありました。
それらは親御さんが終活をしていれば防げた悲劇だったのかもしれません。
終活は人生の整理整頓でもありますから、やらなければ周囲にシワ寄せが行くのも納得です。
本のクセが強い
「なのぉ」「だったんすけど」など、体験談を話す人物像に合わせて話し言葉で書かれている部分がありました。私はそれが気になって頭になかなか入りませんでしたが、読みやすいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
当事者による語り口調の回と、当事者が話した内容を著者が説明する回とが混在しています。
文庫本より一回り大きいくらいのサイズでモノクロ全100ページと考えると少し価格が高いようにも思いましたが、個人の貴重な体験談が集約されていると考えれば安いのかもしれませんね。
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Amazonでのみ発売されているようです。
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