あの日から始まった
日々家の一年を振り返る(hibiya 1周年記念ブログ)
昨年の梅雨入りは例年よりずいぶん早く、我が町も5月末には梅雨入りをしていた。
日本で一番不快指数が高いのでは?と思われる町に住んでいる私。
その梅雨のせいで風邪をこじらせ、ガラガラ声がどんどん悪化し、更にスカスカな声になって参っていた。
エリサさんからDMをもらったのは、そんな頃だった。
「レナ蔵さんとエンディングノートの魅力や問題点について、Voicyのライブでお話ししたいなーと思いましたが、いかがでしょうか?」
サラッと会話中に入ってきたそのメッセージに、「本気ですか?!」っていうのが正直な気持ちだった。
エリサさんを知っている人なら、エリサさんはこういう冗談は言わない人だということが分かると思う。
それでも私は「そんなことある?」と思っていた。
エリサさんは、私のことを知らない。
もちろん会ったこともないし、日本一不快指数の高い町に住んでいることも知らない。
私はSNSの発信もしていないのだ。
その時点ではテキストでの言葉のやりとりだけだった。
私が「ライブ?!やりますやります!」と言ったからといって、そのライブに本当に時間通り入ってくるかなんてわかったもんじゃない。
ライブでドタキャン、そんなことになったら大事故だ。
私が逆の立場だったら絶対しない(笑)
私は、故意ではなく自分のハプニングでそんな事になったらどうしよう、とそれを考えたらとても「やったー!」などと喜んではいられなかった。
まずそもそも声もガラガラだし、今答えなんてとても出せないと思い、一週間も私はそのことについて詳しく言及せずに、「また相談させてください」と流していた。
現実のことと受け止めるのに、それくらいの時間を要した。
エリサさんは静かにその間、とりとめのないやり取りをしながらそのことには触れないでいてくれた。
Voicyのパーソナリティランキングでエリサさんが部門3位になったと発表があった日、私もたまたま仕事で個人成績がエリア3位だったと報告を受け、この気分上々に乗せて、勢いでエリサさんに「ライブの準備します」と連絡を入れた。
そこからは、あれこれ不安をぶちまけるすべてが初心者の私に、エリサさんは嫌な顔(顔は見えないけど)一つ見せず、あれが素敵!これがいいね!と一つ一つ励ましながら、放送の直前まで丁寧に向き合ってくれた。
当日ライブが終わった瞬間、私はベッドに倒れこんだ。
クーラーをガンガンにかけていたのになぜか汗だくになっていて、息も絶え絶え。
慣れない挑戦をして放心状態の中、文字通り「ぼー」としていたら、エリサさんからメッセージが来た。
ここ時間にして多分30分くらい。
「レナ蔵さんのアイディア商品化するおつもりはありませんか?」
これが何かを成す人のスピード感か、、、とまだまだぼーっとした頭で、
「凄いなぁ、、、エリサさん」と、私はへっぴり腰で「商品化」という文字に怖気付いていた。
エリサさんは後にこの行動を、「色々考えて迷ったけれど、エイっとメッセージをとりあえず送った」と言っていた。
私はただ、エリサさんが作るエンディングノートを見てみたかった。
私に手伝えることなど果たしてあるのだろうか?
何の地図も持ち合わせていない私を連れて、エリサさんが船出をした次の日、ジェットスキーに乗って颯爽と現れたのが「ひろたん」だった。
「レナ蔵さんのアイデア、いいなと思って自分用にちょっとCanvaで作ってみた」
今商品化された書き込みシールの原案は、ひろたんのこの「ちょっと作ってみた」から始まっている。
イメージしていたものは、そうそうこれ!!色まで好みだわ。
私は地図を見つけたような、いや、いきなり武器を持ったような気持ちになった。
船長に直接これを見せて!と、ひろたんからこのシール案をエリサさんに見せてくれるよう頼んだ。
三人になった私達は、自己紹介もままならぬうちに、嬉々としてエンディングノート用のシール制作に取り掛かった。
実際に書き込んだ時、文字がきれいに収まるのか?本当に必要な情報はこれなんだろうか?年齢にかかわらず見やすい色味やフォント、自然な英語表記、シールだけで何度作り直したか分からない。
ほとんど出来上がっていたものを、全部振り出しに戻すようなこともあった。
エリサさんが出した案にひろたんがGOを出しているのに、私が「いや、なんか違う」と言って遮ったこともあった。
それでも三人三様、いつもご機嫌だけは絶えることなく、ただただ良いものが作りたい!その思いだけは譲らないという姿勢で、毎日テキストでのやりとりが続いた。
始めはシールを作って終わりかと思っていたが、シールだけではとてもエンディングノートは書き進められないよね?となって、ガイドブック作りも同時にスタートした。
伝えたい言葉は山のようにある。
こんな風に書くといいのでは?のアイデアもたくさんある。
だけど、研ぎ澄ませて削ぎ落してこその「日々家hibiya」だ。
ものすごい数のテキストのやり取りから、ほぼほぼ削って残ったのが今のガイドブックの言葉たち。
特に最後の項目「残したい記憶」は、私にとってエンディングノートの核になるパートだと思っていて、気に入っている。
わたくしごとだが先日、誕生日プレゼント何が欲しい?と妹に聞かれたのだが、欲しいものが特に思い浮かばず。
妹は私と誕生日が一日違い。彼女も特にモノはもういいかな、と。
そこで「お互いの良いところ20個ずつ言い合わない?」と提案してみた。
妹はいいね!いいね!と、父にも「一緒にやろうよ、毎日ひとつずつ三人のライングループで出していこう!」と言ってくれた。
20日目、なんとも言えない達成感。
父はこの日私達姉妹に
『この20日間、毎日毎日が楽しみでした。なんとかロスだが、、繰り返し読むね。全部ノートに書きだしたよ』
と伝えてくれた。
そう、これがエンディングノートの「残したい記憶」に書くことなんだ。
特に何の期限も決めず若干文化祭気分で始まった日々家だが、夏も終わりに近づくころ、
「で、、いつ出す?」という話に。
エリサさんのVoicyFesへの出場が決まった瞬間、私たちのゴールはいきなり10月25日に設定された。
それからの私達は、寝ていながら夢でも何かしら作業をしている状態になり、Fesの数日前にはとうとうひろたんが「ちょっとなんか変かも」と言い出した。
息苦しい、変な汗が出てくる、、、
自律神経がやられてるか?
Fesまであと4日だった。
せっかくなら一堂に会するパーソナリティさんに、商品をお配りしたいねという思いで、ここに間に合わせようとみんなで頑張ってきた。
しかし試作のプリントアウトのところで、なかなかシールの位置が定まらない。
そこの調整にひろたんがかかりっきりになっていた。
彼女にはまだ10歳にならない子供たちが三人もいる。
毎日ママでないと対応の難しい、煩雑なこともひっきりなしのはずだ。
ここまで弱音一つ吐かずに、むしろ私とエリサさんに包み込むような安心感を与えてくれ、面倒な作業を請け負ってくれていた。
文字を打ち込む以外パソコンの使い方をほぼ知らない私では、何もしてあげられずそれが悔しかった。
それでもなんとかひろたんはFesの日には体調を戻し、シールも完成させて、東京へやってきた。
三人で顔を合わせたのはこの日が初めてだった。
私のエリサさんの初対面の印象は「あれ、なんか昔会ったことがあるような気がする」という不思議な感覚だった。隣に座るエリサさんとの間に懐かしさを感じた。
プロジェクトの話のみ、時間は二時間ほど、、、。
私もひろたんも元はといえばエリサさんのファンなのに、握手やサインどころか写真を撮ることさえも忘れて帰ってきてしまった( ;∀;)。
ああぁ、、、時間よ戻れ、と思ったのは別れてから山の手線に乗っていた時だった。
帰ってからも販売に向けてトラブルが続く。
予定していた発送用の箱ではぎりぎり容量オーバーになるものが出てきて、私は急遽何十個も発送用の箱を作り、手書きで宛名を書くという作業を余儀なくされた。
初回限定で付けた無印のバインダーやルーズリーフが、良品週間に重なりネットでの注文ではすぐ品切れになる。注文出来た物も商品到着は二週間先?
予約販売を開始していたので、最後の商品が届いて発送するまでに1日しか時間のないものもあった。
追い込まれて何かをすることがとにかく苦手な私は、大きなミスなくここを乗り越えられたのは奇跡だと思っている。
初回販売は、応援してくださったVoicyパーソナリティさんのお陰もあり、あっと言う間に売り切れになった。
1セットだけは初回の見本として置いておこうとなったが、今私のところにその1つが残っているだけだ。
全国各地、北海道から沖縄まで、北海道が若干人数多め、沖縄が少なめという以外はほぼまんべんなく売れた。
次々とエリサさんファンのエリ友さんたちも、Instagramなどで届きましたのご報告や感想を寄せてくださった。
素敵な時代だ。有難い。
その後、第二版を制作し、一版の時には叶えられなかったところをバージョンアップさせ、今年は安定して毎月欲しい方にお届けできるシステムが整った。
毎月1日の販売日には、オンライン上に並んでくださっていた?と思うくらい、すぐに購入通知が届く。
嬉しい。
スイスイと、このシールとガイドブックを使ってエンディングノートを書きあげていく方がいる反面、「袋まだ開けてません」という告白を聞くこともあった。
エンディングノートを届けたら終わり、にはしたくない。
書きたい人に届けたはずだ。書けないのは私達にも責任がある。
そう思った。
前回のブログにも書いたが、この春「Me活ワーク」という名で、エンディングノートを書く為のオンラインワークショップを始めた。
今は二期生のワーク中だ。
一期生は既に卒業し、全員が一年間の単発ワークショップ(Me活piece)でMe活を継続中。
参加者のみなさんからは、学ぶことばかりだ。
二年目、秘かに進んでいるプロジェクトもある。
エンディングノートを通してまだまだ「日々を磨く」術やヒントがある。
一年前には描いていなかった今に、自分が一番びっくりしているのかもしれない。
エリサさん、ひろたん、
私を信じてくれて「ありがとう」
大切な時間、素敵な経験を「ありがとう」
そして、1周年を迎えて今いちど、感謝をお伝えしたい。
hibiyaの活動に興味を持ってくださった全ての方、様々な発信を通じて応援してくださるVoicyパーソナリティのみなさま
そして、hibiyaのスポンサー「あへあほ体操」しものまさひろさま
本当にありがとうございます。
日々家二年目も、どうぞよろしくお願いいたします。