涙の変遷


項目  履歴とゆかり

エッセイ㉓ 「小さい頃の呼び名と聞いて思い出した?!こと」

小学生の時のあだ名


私は小さい頃、泣くことが苦手だった。

もちろん「泣くな!!」とあの人(お母様)に怒鳴られるので(笑)、泣けないというのもあったけれど、、、

泣くことは負けたこと

私自身もそんな風に思っていた。

そのせいか昔はよくほっぺの裏側を噛む癖があって、それが今日の歯ぎしりにつながっているのでは?思えてくる。


いつの頃からか私は自分のことでは人前で泣かなくなっていた。

そして学童期は、まるで「強い女子?!」みたいになってしまい、結果「やまんば」と呼ばれていた。

小学生の頃はいじわるな男子達がこんな私を「泣かしてやろう!」と色んなことを試してきた。

ビックリさせて泣かす作戦、恥ずかしいことをして泣かす作戦、たまに痛いことをする子もいたし、悲しいことを言ってくる子もいた。


私が生意気だったのが気に入らなかったのかもしれないが、「泣かしたら勝ち」みたいな男子達の風潮も確かにあった気がする。



泣くってそもそもどういうこと?


10歳になるかならないかの頃には、自分の事で泣きたくなった時、ここは泣くところか?いや泣かなくていいか?などと、泣くまでの距離がめちゃくちゃ長くなり、涙が自然と流れるという感覚を忘れていった。


しかしながら、

私は生まれながらに無駄に共感力が高いので、自分のことでなければコマーシャルでさえ、同じシーンを見て何度でも泣けてしまう。

小田和正さんの「時をこーえて♪」という歌声だけで涙腺が開く。

(わかります?生命保険会社のあのコマーシャル)

私は人の哀しみに対しての自他の境界線が甘く、ズブズブと一緒に沈んでしまうので、泣くととっても疲れる。


そしてさらに残念なことに、「泣くとスッキリするよね」と多くの人は言っていたが、「スッキリしたことないんだな~。。」と思っていた。

なので、泣くことがずっと嫌いだった。



涙を取り戻す


ところがここ十数年で変化があった。

親になって子供たちがサッカーなどという私が大好きだったスポーツを始めた為に、15年以上もの間 応援の日々が続いた。


私自身はグループ活動が苦手な子供だったので、チームスポーツの経験が無く、お日様に長い時間当たるという遊び方もして来なかったので、始めは外にいることに慣れるだけでも心身を疲弊させていた。

それでも週末は、夜が明けないうちからお弁当を作り、試合の前は必要以上に体調を気遣い、県を跨いで高速をかっとばし、怪我をしたら病院への通院にも幾度となく付き添った。

また試合の時には、こちらがお腹が痛くなるくらい緊張する場面も。


そうこうしていると、大きな大会などで感動的な優勝をしたりすることもあって、応援仲間のママ友達と抱き合いながら声が枯れるくらい泣くという経験もするようになる。

緊張から解き放たれた涙だったり、自分の頑張りに対するねぎらいの涙だったり、純粋に感謝の涙だったり。


私はどんどん溢れる思いで涙するという感覚を取り戻していった。



子供のスポーツを応援する体験

子供たちが小さい頃お世話になったベテランのサッカーコーチに言われた言葉が忘れられない。


同じように応援しているママたちでも、こんな感動的な場面にそう出会えるものではない、とても幸せなことですね、と。


コロナ禍、高校野球が中止になった年があった。

甲子園に出場するような子たちのご家族が、それまでどれほどの情熱と時間をその夢に注ぎ込んで来られただろうか。


スポーツをやる子供の応援をしたことで、少しだけ分かることがある。

だから、あの決断には心が傷んだ。

知り合いがいたわけでもないのだけれど、、、

ご家族もさぞ辛かっただろうな、と思った。




涙を取り返した今、思うこと



今、涙に垣根が無くなった私が泣いている場面は、少し奇妙な時がある。

自分でもなんであそこで泣いた?そこでそんな泣く?と後になって本気で恥ずかしい気持ちになることもある。


それでもその時なにかの琴線に触れて涙が出たことを、もう否定はしないでおこうと思う。

私が好きな時に泣けるようにしてくれる人達が傍にいる今、好きな時に泣かせていただこう。

そして、みんなが言うように、涙でスッキリしていこう。


涙が教えてくれる気持ちもあるのだから。



追伸

ちなみに私は幼い頃「日本昔話」が大好きだった。

その中でも「重複山の山姥」は大のお気に入り。

なので、別段「やまんば」よばわりに傷つくことはなかったのよ。(笑)




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