育てることをしている人、必見の神言葉
項目 ペット植物のこと
エッセイ⑪<育てるということ>
我が家にはシマトネリコとヤマボウシという庭木がある。
うちの庭師さんは、私が探してきた、とっておきのお方。
日に焼けたお顔に、笑顔で出来たしわがとても魅力的。
庭師のSさんは、元いるかの調教師。
それゆえに、植物をどう育てるか?といううんちくが素晴らしい。
初めて剪定をお願いした日は、出来上がったその庭木達を見て、私は「オーマイ ガーッ」と腰を抜かしそうになった。
モサモサに生い茂っていたはずのシマトネリコもヤマボウシも、文字通りスッカスカになっていて、葉も枝もどこに消えた?と思うほどの真っ裸のような姿だった。
Sさんは驚く私に、この幹とこの枝がこんな風に伸びてきて、その後こういう樹形になっていきます、と身振り手振りを交えながら丁寧に説明してくれた。
「ほんとに?」という疑いの気持ちもあったが、そうなればいいなという気持ちが大きかったので、おとなしく様子をみることにした。
Sさんにお願いして、今年で8年目になる。
最初の2、3年はそれでもSさんが来る度、育った所が毎度取り払われてる気もするし、振り出しに戻るかのごとく小さくなっているのではと、やはり少し不安になった。
それでも熱く語ってくれる「どう育てるか」の理念のようなお話しを聞いていると、やはり信じてついていこう、と思えた。
初めて剪定された日に「数年後にはこうなりますよ」と説明してもらった樹形に、現在シマトネリコもヤマボウシも本当に育った。
夜には下からのライトに照らされたまっすぐ伸びたシマトネリコにウットリする。
8年前、「今すぐ良くしたい」そう思ったら、植物は幼いままだよ とSさんは言った。
なんでも育つには時間がかかる
その過程も楽しまなくては、生きとし生けるものは上手くは育たないと。
子育て中 悩み苦しかった時
私は何度もこの言葉を自分に言った。