心が整う禅の教え、二人の素敵な僧侶さま
項目 終末期医療
エッセイ⑧<intrip_zen から終末期を考える>
ある本をきっかけに、私は原始仏教の講座に1年ほどの間、通っていたことがある。
お釈迦さまの禅の教えを学ぶものだ。
講師は、インド仏教界の最高指導者、佐々井秀嶺さんの下で得度出家された、宗派や伝統に属さない独立出家僧として活動されている草薙龍瞬先生※。
尼僧にも見えなくないお姿とお声で、美しいシャンソンのようなお経を奏でる方だ。
私はミッション系の学校育ちなので、(キリスト教学の授業はほとんど寝ていたが)讃美歌が好き。それまではお経は好きではないし、むしろ苦痛に思うことすらあった。
なので、この方のお経を聞いた時はセンセーショナルだった。その衝撃を受け入れるまで、なぜか笑いが込み上げてきて、そしてすぐに、この時間が終わらないでほしいと思った。
そのくらい魅力的で魅惑的なお経だった。
この講座で私に禅の教えが身に着いたかと言われれば、こたえは残念ながらNOなのだが、この経験のお陰で、私の仏教に関することへの興味は増した。
インスタグラムの「intrip_zen」に出会ったのも、この流れだった。
「intrip_zen」を運営されているのは、私のあこがれる建仁寺塔頭「両足院」副住職の伊藤東凌さん。
毎朝、美しい風景写真とともに投稿される生き方への学びのInstagramは、私のその日一日を照らしてくれる。
今年の1/21の投稿にはこんな言葉があった。
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「自分探し」から「自分づくり」へ
医療の進歩、技術革新により寿命が延びている。
その中で生き方は多様化していっている。自分と向き合い、悩む場面も多いのではないだろうか?
そんな時、胸に留めておいてほしい言葉がある。
Life isn’t about finding yourself. Life is about creating yourself.
1925年ノーベル文学賞を受賞された、アイルランド出身の劇作家
ジョージ・バーナード・ショーの言葉。
自分という人間を知ろうとするのも大切なこと。
ただ今あるものだけではなく、まだ見ぬ未来の自分をどうつくるか。
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私たちがエンディングノートを通して、自分の棚卸が進んでいくと、終末期医療のページを書く時も「どんな自分でそこに望みたいか」という視点で向き合う事が出来ると思った。
そこで慌てふためき、自分の最期が受け入れられない自分なのか、
その場にあっても、周囲への優しさや遺された時間を大切に出来る自分なのか、、、
いざとなった時のことは、もちろん分からない。
それでも、それもこれからのワタシ次第なのだと思う。
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※伊藤東凌さん
京都「両足院」の副住職。Facebook本社での禅のセミナーの開催、フランス、ドイツ、デンマークでの禅指導、アートの企画やインスタグラムやアプリの運営等、活動範囲が広い。
☆お勧めの著書
「月曜瞑想」
瞑想の仕方がこんなにわかりやすく解説されている本を私は知らない。瞑想は難しくない&効果が絶大と実感。
※草薙龍瞬さん
奈良県出身、中学中退後、単身東京へ。高校へは通わず大検を経て東京大学法学部卒業。ミャンマー国立国際上座仏教宣教大学修了。興道の里代表。
☆お勧めの著書
私が原始仏教講座に通うきっかけになった「反応しない練習」
草薙先生一押し「大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ」
草薙先生のせつない過去が書かれた「心の出家 ~かわらぬ日常をもっとラクに生きたいあなたへ~」
今少し辛いなと思う方のこころに、しっかり届いてくれる著書たちです。
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