義母のお片付けに参戦
項目08.モノの管理
エッセイ⑭ <正直と内緒>
義母は、数年前から足や腰が痛いご様子。
その上、モノを捨てない義父の目もあり、終活のお片付け部門がなかなか進まないことが気がかりだと言っていた。
私も、義母が片付けたいのなら、どうにか力になれないかと思案していた。
何年か前の帰省の時、
「お片付けの資格も取ったし、いつでも整理手伝うから、おかあさん無理しないで言ってね」 と 義母には伝えていた。
昨年末「ちょっと見てくれへん?」と、実家の2階の箪笥などが開け放たれた部屋へ通された。
もしかしたら、結婚後初めて二階に通された?かもしれない。
「これでも色々選別したのよ」と、義母が疲れた声で言った。
空になっている棚などからは、かなり手放したんだろうな、という跡が見えた。
そして、足の悪い義母はもう着ないであろう、たくさんの着物の前へ。
「これ、どうしよう」「全部いらないんだけど・・・」と。
数年前、私は祖母の遺品の着物を引き取り、業者を回って手放した経験がある。
この目の前にある着物達も、売っても多分幾らにもならないだろう、というのは想像がついた。
義母も自分で手放せる他のものは、そっと手放した後のようだった。
後を業者さんに任せるとしても、どの業者さんを選んだらよいのか?手放しに慣れていないこともあり、途方にくれているようだった。
手放し方によっては、義父にバレたらそれこそ大変だ。
どうしても軽やかに進まない。なにせお片付けをしていて叱られる危険性があるのだから。
うまく手放す方法を、私もその場で一緒に考えた。
結局、ひとまず私がなんとか着れると思ったものは、いただくことにした。
持ち帰った着物は早速、初詣やお茶のお稽古に着ていき、写真を撮って義父母にLineで送った。
思った以上に喜んでくれた。
引き取った着物は一回着たらありがとうという気持ちで、私の好きな時に手放して良いというマイルールをつくった。
「あの着物、あの後どうした?」などと無粋なことを絶対言わない義母。
そこは安心して大丈夫。
「手放しのお手伝い・親孝行版」と名付けて、あとは私が一人静かに決行していく。
親のモノのお片付けは、やったことのある人なら誰でも何かしら思うところはあるもの。
モノが語ってくる、その人の生き方や価値観。
エンディングノートに向き合い始めてから、たまに自分のモノを誰かが片付けている様子を想像してみるようになった。
それ、やっぱりどうみても私のシゴト、だよね。
逃げてはいけない現実が見えてくる。
Me活4期生のあいらん♪です。
お義母様への声のかけ方、寄り添い方がとても素敵だなぁと感じました。
私もまた義実家に行くときに、同じように声をかけてみようと思います。
あいらん♪
コメントありがとうございます。
良好な関係は、母が素直で、いつも母の置かれた立場を理解出来るように正直に話してくれるお陰かな、と感じています。
あいらんならきっと上手にお母さんのより良い生活の為に、仕組みを整えてあげられると思うので、良き時間になるように願っています☺️
こんにちは ゆーずきです
着物、悩みの種です
祖母と母が着物好きで結婚の時にたくさん持たせてくれました わたしが子供の時からお嫁に持たせるために少しずつ置いてくれてた品で処分できないままです
私がいなくなってから娘に処分を託すしかないと思っています
お宮参りや七五三で着る着物だけはずっと置いておきそうですが
お嫁さんが手伝ってくれるとこんなに心強いことはないですね
ゆーずきさん
コメントありがとうございます。
お母さまの立場からのコメントをいただき、有難かったです。
お宮参りや七五三の着物や袴、うちも親から子へ、従兄弟達も着回しており、着る子によって同じお着物なのになぜか個性が出ていて、楽しかったのを思い出しました。受け継ぐものと、受け継がないと決めるもの、その選択が悩ましいところですよね。
お嫁入りにたくさんのお着物をご用意くださったゆーずきさんのお母さまやお祖母さまの愛が眩しいです。